私の恋。私の甘い夢。私の儚くて淡い期待。
ホイップクリームのように、白くて柔らかくて優しい。でもずっと同じ形で維持はできないから、綺麗にクリームを絞れたら見せたい人に見せなくちゃ。
君はいつまでも待つと言ってくれるけど、足りないものを焦って補いにたくさんの鎧を纏うことを考えている私の完成した姿だけでなく、準備の段階までも見届けてほしい。
そのすべてを含めて私だから。
甘い甘い、甘ったるくなるくらい甘い美しいショートケーキを作ることを夢見ている。
そのケーキは、大好きな君と家族と友達にプレゼントするってもう決めてるの。
だから私は完成させなきゃって思うけど、ときどき長い工程の道のりに、やったこともない初めてのことに、見よう見まねだから合っているのかも、何度もやり直して前に進めないの。
他の人に話したら、まだシフォンケーキすら焼けてなくて何言ってるんだって呆れて笑われた。
恥ずかしくなって、やっぱり私にはケーキを作ることできないのかなって思って、道具を置いて家を飛び出した。
君は私を追いかけて抱きしめた。何度も何度も安心するくらい腕の中で泣いたら、涙で目がヒリヒリして上を見上げたら、美しい空とにっこり笑う君がいた。
「君なら絶対にできるって信じているから言うんだ。ケーキは一緒に作ろう。君がだいすきなケーキを一緒に作って僕のそばで笑っていてほしい」
誰になんと言われようと、うまく進めなくたって焦らずに自分だけのケーキを焼けばいい。
きっといつか、黄色くてやわらかくてふんわりしたシフォンケーキができて、クリームを丁寧に自分のペースで塗って、デコレーションは自分のありのままに、甘くてとっておきの赤いイチゴをあなたから受け取ったら幸せが降り注ぐ。
誰のものでもない、世界にたった一つの私とあなたの思いのこもったケーキを一緒に完成させるんだ。



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